本サイトでは論文や本の内容などを紹介しており、元の情報の正確性も評価しています。
高品質でほぼ確定された情報だけをピックアップするのが一番いいのですが、この方法だと新しい発見が少なく面白みにも欠けます。そこで本サイトでは、これから紹介するデータの評価方法を取り入れます。
大まかな評価方法は下記の内容に従いますので、参考としてご覧ください。
情報の評価方法
評価方法は、エビデンスの質の評価方法として一般的に使われる方法で評価します。
<評価方法>
1,RCTのメタ分析
2,観察研究のメタ分析
3,ランダム化比較試験(RCT)
4,準実験・観察研究
5,事例集積研究
6,専門家の意見
7,その他の個人の意見や事例
この7つのレベルで信憑性を7段階で記載します。
また、細かな±0.5の評価は、内容をみて私個人の判断で行いますので参考にしてみてください。
RCTのメタ分析
ランダム化比較試験の系統的レビュー(別名meta-analysis、メタ分析)と呼ばれる一番信憑性が高い研究方法です。
信憑性:
統計的な方法を用いて、下で説明するRCT(ランダム化比較試験)の実験結果をまとめて分析した物がメタ分析です。過去に行われたRCTのデータを集めて、各実験のデザインをチェックし、その上で信頼できない研究を排除し、まともなデータだけを分析して大きな結論を出したものです。
メタ分析が行われていれば「ほぼ確実にそうだろう」と言える結果です。
観察研究のメタ分析
次に、観察研究の系統的レビューについては、ランダム化比較試験より不確定な要素が多いので評価を1低くしております。
信憑性:
メタ分析で判明した事については、ほぼ確実なので迷わず実践するのがおすすめです。
※サイトの検索欄に「メタ分析」と入力して検索すれば各内容が出てきます。
ランダム化比較試験(RCT)
次に信憑性が高い研究方法です。
信憑性:
ランダム化比較試験(RCT)は、統計学で効果を調べるための試験方法です。効果を調べるときにランダムにグループを分けて、プラセボと介入の二つを行います。マーケティングで言うところのA/Bテストです。
サプリの効果を試験するときに
1,参加者をランダムに2つのグループに分ける
2,片方のグループにだけサプリを飲ませる
3,もう片方には偽薬を飲ませる
もちろん、参加者は、自分がどっちを飲んでいるか分かりません。この2つの結果を比較して効果を確認するのがランダム化比較試験です。
ランダム化比較試験は、試験の数や参加者の数・実験の期間で信憑性が変わります。複数のRCTでいい結果が出ている物についてはより信頼度が高まります。
ただし、1つのRCTの結果は後々覆る事があります。一説にはこういうこともあるのか〜という程度にみれ貰えればと思います。
RCTが行われていれば、信憑性が高まり安心できます。
内容によって信憑性のレイティングを±0.5ずつ動かします。
準実験・観察研究
ここには2つの研究方法が含まれます。
信憑性:
<準実験>
参加者に介入を行って変化を測定する研究方法です。RCTと違って対照群がないため、RCTよりも結果の信憑性は下がります。
<観察研究>
ある症状を持つ人とそうじゃない人を比べる研究方法です。過去にさかのぼって観察するケース・コントロール研究や将来罹患するかどうかをみるコホート研究があります。どちらも観察による違いをみており様々なバイアスを取り除けないので、信憑性としてはRCTよりも低いです。
ここまでがある程度信頼出来るデータで、この下は参考情報程度に見て貰えればと思います。
事例集積研究
とある事例を集めて共通点を探す研究方法です。
信憑性:
事例をいくつ集めてもデータではなく、ただの情報でしかない。系統的にバイアスを排除できるようにデザインされた研究から得られた物のだけがデータなので、あくまで事例収集でしかない。
もちろん、ここから共通点が見出されて研究に繋がるものなので大切ではあるが、あくまでエビデンスという観点からみると信憑性は弱い。
専門家の意見
明確なデータやデータの批判的吟味を欠いた専門家の意見のことをいう。
信憑性:
あくまでその人の意見なので、信憑性は低い。他の研究のように分析が行われておらず、バイアスも排除されていないので、専門家の意見といえど信憑性は低い。
個人の意見や事例
専門家ではない個人の意見や事例のことです。
信憑性:
「〇〇をしたら治った」とたまに見るが、研究など比較や吟味を欠いたもので、バイアスも排除されていないので専門家の意見よりさらに信憑性は低いです。
ただなぜこの情報を掲載するかというと、客観的にこの情報を比較すると面白いからです。
信憑性は低いですが、面白さや興味優先で記載します。これをみて皆様にも楽しんで貰えたらと思います。
その他
上記の評価方法とは別に、効果量による比較も行っております。
効果量(effect size)
各情報の結果は、効果量を元に比較します。
効果量とは、データの差や影響、相関、関連度合いのことで、あることをした結果どの程度効果があったかを示しています。この効果量を比較することで効果の度合いが明確になります。
検定 | 指標 | 効果量の基準 | 補足 | ||
小 | 中 | 大 | |||
t検定 | r | 0.1 | 0.3 | 0.5 | |
d | 0.2 | 0.5 | 0.8 | ||
分散分析 | η2 | 0.01 | 0.06 | 0.14 | |
相関 | r | 0.1 | 0.3 | 0.5 | |
χ2検定 | φ | 0.1 | 0.3 | 0.5 | |
χ2検定 | Cramer’s V | 0.1 | 0.3 | 0.5 | |
ノンパラメトリック検定 | r | 0.1 | 0.3 | 0.5 | |
回帰分析 | R² | 0.02 | 0.13 | 0.26 |
参考:日本理学療法士学会
最後に
ここまで評価方法について書いてきましたが、信憑性が高いメタアナリシスといえど覆ることは多々あります。科学といえど万能ではありません。また、このサイトを執筆している私自身の誤解や曲解も含まれるので、最終判断は原典を確認してご自身で行ってくだいさい。
ここまで読んでくれた方は、なぜ私がこのような事を言うか理解して頂けてると思います。人は万能ではないため念のため記載しております。
このサイトには、さまざまな人の本質に関する情報を記載しています。記載されている情報を参考にして、実生活に活かしていただければ幸いです。