散歩が体にいいことは知られてますが、実際はどこで何分散歩すれば効果的なんでしょう?
今回は、2021年のドイツのマックス・プランク人間発達研究所の論文(1)から散歩の時間と脳やメンタルへの効果について紹介します。
エビデンスの強さ:
科学的に検証された散歩の効果と時間
散歩をすると、10分後に幸せホルモンのセロトニンが出始め、20分後に脂肪燃焼などの有酸素運動の効果が出始めると言われています。
また、歩くだけでアイデアが思い浮かびやすかったり、自然の中を歩くとストレスが減り、メンタルが改善する(2)みたいな効果も実証されています。
ただ、今回紹介するのは、時間や自然に関係なく、外に出ただけで脳やメンタルがどんどん良くなるのでは?という研究です。
実験の内容と結果
一般的な人は、生活時間の約80~90%を室内で過ごしています。外に出るのは1日に2時間〜5時間くらいってわけです。
そして最近の研究では、自然の中に出かけると健康的になり、メンタルも良くなるといわれていました。ですが、都会でも外にでるだけで何かしらの効果があるのでは?と実験されたのが今回の研究です。
実験内容
都会で暮らす6人を6~8ヶ月ほど追跡調査しました。その際、MRIで週に2回、合計約300回ほど脳のスキャンをして脳の状態をチェックしています。
その他、外で過ごした時間や水分摂取量、自由時間の量、カフェインの摂取量、運動量などについてもデータを収集しました。また、季節の影響も見るために日照時間なども考慮されています。
結果
<脳への影響>
屋外で過ごすと、脳の右背外側前頭葉皮質の灰白質が増えることが分かりました
<気分・メンタル>
屋外で過ごしただけで、感情がポジティブになることが分かりました
<場所と時間>
・都市部(ベルリン)でも効果あり(自然が多い地域は効果があると証明済み)
・短時間でも効果がみられた(長ければ長いほど良かった)
この右背外側前頭葉皮質は、行動の計画や調整などの認知的コントロール(頭の良さ)に関わっています。また、精神疾患がある人ほど減少しやすいエリアなので、この部分の灰白質の量が多くなるとメンタルの病気にかかりにくくなるかもしれないわけです。
しかも、時間は短時間でも良く、長ければ長いほど効果も増えていました。灰白質も増えるので、散歩の時間を長くすれば、その分メンタルにも効果的みたいです。
つまり、日光を浴びる時間や運動量などとは関係なく、とにかく屋外で過ごすだけで脳が発達する可能性がある。頭が良くなる可能性があるってことが分かったわけです。
注意事項
ただし、研究自体は6人を対象にした小規模なものなので”効果的だ!”とは言えない段階です。
とはいえ、過去の研究でも
・自然の中を歩くとメンタルが改善する
・自然の中を歩くと記憶力が20%良くなる
みたいなことも言われているので、あり得ない話ではないのかなと思います。
なので、とりあえず散歩しとけば頭にも体にも心にも良いのは間違いありません!
また、もし新しい結果が出てきたら紹介しますので、気になる方はTwitterの方をフォローしてみてください。
まとめ
今回は、都市部でも屋外で過ごせば、なにか効果があるのでは?と言う研究を紹介しました。
<まとめ>
・屋外で過ごせば頭が良くなる可能性がある
・屋外で過ごせばメンタルも良くなる可能性がある
・短時間でも散歩すれば頭も心も体も良くなる可能性がある
というお話でした。
今回の結果から、都市部で外に出るだけでも効果が出ていたので「自然がないから歩いてもなぁ」と思っていても、とりあえず外に出て歩いてみた方が良さそうです。
散歩して悪いことはそうそうないので、暇が出来たらとりあえず散歩して置こうと思います。